御嶽神社(あきる野市小和田)
概要
あきる野市役所のHPには神仏習合(しんぶつしゅうごう)の時代のなごりである山号がある神社、旧五日市町を一望でき、蛇行した秋川の流れと、河岸段丘の上に立ち並ぶ街なみの風景が見られるとある。
1995年に秋川市と合併した町で御嶽山や大嶽山が檜原村の北秋川流域に聳え、五日市(毎月五日に市が開かれたのでその名があるが、檜原村~甲斐信濃に通ずる街道宿場町としても栄えた町だ)は、その玄関口の町でもある。あきる野市には幾つかの狼信仰の寺社が残っており、御嶽神社(おんたけじんじゃ)はその名残であろう今も大切にされている。付近からは見晴らしがよく、武蔵御嶽山や大嶽山が見え、真に狼信仰の聖地に相応しい小高い山の山頂にある神社だ。
新旧4体の狼像
・旧狼像二体、対の阿吽の像
詳細は不明だたが本殿の右側にある方が旧狼像で、檜原狼関係の像と酷似している。少し破損はしているが丁寧に修復してあり、地元の方の信仰の厚さが伝わってくる。社も時代は感じるが保存状態はよく、清掃もされていて
管理が行き届いている。狼像は左右で阿吽の像になっていて左側が口が開いている。やや上半身が右側に傾いている(首をかしげている様でかわいらしい)のが修復前は直立していたと思われる。左右の像とも前足が直立していて全体的には丸みのある優しい像のイメージだ。左右供にほぼ同型の狼像で大きさもほとんど同じだ。顔つきが違うくらいで右側の方が口を閉じている分やや小顔でおとなしめに見える。どちらも正確な創建や時代は分からない(祠や台座には何か書いてあるかもしれないが触れることはできない後日判明したら掲載する)が、形状から祠と共に元々は本殿(前)にあったものがこちらに移され本殿も新築されたと様に思われる。御嶽神社(御嶽講)の歴史ある像というのは間違いないだろう。
・新狼の像、二体の対の像
こちらは本殿前にある像で石像だが近代の造りでややワンコスタイルとなっている。厳ついイメージはスタイルからはないが表情には左右の違いがあり、よく見ているとだんだん狼に見えてくる不思議な像だ。
顔はワンコぽいが目が狼で凄んでいるかの様だが、それで狼に見えてくるのかもしれない。目の細かい石像で職人が描く繊細さが出ている像で左右ほぼ同型だが体型も顔も違いがあり対で一つという感じの像だ。
神仏習合(しんぶつしゅうごう)WIKI
神仏混淆(こんこう)とも。 神と仏とを調和させ,同一視する思想で,神道と仏教の同化を示すもの。 奈良時代に起源をもち,神宮寺の建立が行われ,神のための納経があった。
平安初期には神前読経や神に菩薩号をつけるようになった(八幡大菩薩など)。
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